受付けは前日に済ませたけど、受付のボランティア、案内、EXPOの店舗展開など、どこをとっても運営が手馴れていて不安や不満の要素がほとんどない。
ボランティアやスタッフも、すっかり慣熟して、非日常的な高揚感はないのだろう、地方での大会、満身の笑みで、「こんにちわっ」て迎えてくれるのと比べると、やや落ち着きすぎてると言えるかも。
関西の大会は都市基盤も人的な基盤もある程度出来上がっていて、1万人の大会は、少し頑張ればできると言うことなのか。わが町の浮沈、このマラソンにあり!なんて気負いがないだけか。これはこれで、誇れることだと思う。
(実際は、奈良マラソンでも、至るところで苦心・腐心が見られるし、これでもか、と言うほどランナー目線でおもてなしに気が配られているので、あくまでも、私が接した限りでは表面に出る部分では、淡々としていたように見えたということ。)
10kmとの並走になる区間は、第1折り返し点から近鉄奈良駅前に戻ってきて東大寺南大門前までの、それぞれで割り振ると比較的幅員の狭い区間にあたる。
早く近鉄奈良駅前・奈良公園に至るメインストリートを短時間の規制で切り抜けて特に近鉄奈良駅前から西側の道路を一般の交通に解放したいと言うのはわかるんだけど、
ややストレスに感じる。大宮の折り返しまでで、いったんランナー密度が疎になってから、また密になるので、そう感じるのかも知れない。
ただ、極端なスピードダウンを強いられるわけでもなく、文句を言うのは贅沢と言うもの。大規模マラソンならでは賑わい感を感じる、ってことにしておこう。

スタートラインを切るまでの、集合整列エリアからのランナー導線が、屈曲しているせいか、号砲からスタートラインに達するまでの時間が他大会に比べて長く感じられた。Dゾーンなのでもう少し早いかと。並ぶ時のランナー密度は、割とゆったり感じられたので、そのせいで列が長くなっているのかも知れない。
スタートから奈良駅近くまで続く1km余りは下りだけどスピードが出るわけでなく、タイムロスは、そんなに自己ベスト達成などに影響があるものでもない。
私は、この時点で、後半の山道も考えると記録更新は難しいと見切って、多少ゆっくりすることに。
しかし、私がこのあと体験した後半の山道は、そんなことでは済まないくらいの過酷なものとなるのであった!

当日は予想外に気温が高く、第1折り返しから奈良駅前に達する前に既に暑いと感じる。グローブ、アームウォーマーを外すがアームウォーマーは入れるところがないので、
ランパンの後ろ側に挟み込んでしっぽのような感じに。(笑)
なおかつ、集合時間には余裕を持って並ぶことにして、トイレはスタート後に回したのだが、高温を予想してスタート前給水を増やしたためか、だんだん近づいてきた。
結局14.5km付近のトイレで済ませる。タイムロスは1分程度。トイレ位置に達してもコースから奥に入り組んだトイレが結構あるようで、2か所くらいは見送った。

 (やっぱり自己ベスト更新はやめてゆっくり行こう。とここではまだのんきなものでした。)

東大寺近辺だけでなく、11km以降の視界が開けたところでも、ずっと山並みが見えている。山に囲まれた落ち着いた古都らしい雰囲気のコースだ。
介護施設では御年寄が車椅子の車列をつくり応援してくれる。子どもたちもハイタッチを楽しみにしているし、記録はまあ良いことにしたから、
結構こまかくハイタッチ。「いえい!」これ、結構、コース取りに影響するしエネルギー使うのだけど、気持ちがキリッとして、疲れを忘れるので
少なくともロスにはならないように思っている。
何でもないとこでは私設エイドがたくさん、入念に仕込まれた応援が多く見られるのも奈良マラソンの特色。
(私はなぜかみかん、のプライベートエイドに惹かれる傾向がある。)
新大宮あたりでは女性演歌歌手のステージあり。奈良一番の美人?!あり。15km、第3関門を過ぎて平野部から大きく左折して山間部へ。
まだ余裕である。ロックンローラーが派手な応援を続けてくれている。上り坂に差し掛かったところでアコーディオン奏者が現れる。

さて、20kmくらいから足指の先が痛い。前週に爪を切りすぎて、指先が靴にあるようになっていたようである。深づめ、これは反省。
それでも中間点までは、そのまま持ちこたえるけど、ストレスを抱えたまま走るのは私の主義ではない。ストレスを感じたらとりあえずやめる。
ストレスを取り除いて、走るときは快適に走る。なので、上り坂でスピードダウンのついで、の時に靴ひもを直すことに。
途中、ペースランナーに鈴なりになったランナー群が先に折り返して戻ってくるのとすれ違う。3時間のペースランナーか。羨望のサブスリー。

靴ひもを直す場所を探しながら、天理教の建物群をどんどん行く。折り返し点。ぜんざいの振る舞い。お砂糖の甘さは疲労に即効があるようで、
はふはふと美味しくいただくと、生き返った感じ。

折り返してからの上り坂の急なところを探して靴紐の締め方を変える。(左右で2回タイムロス)27kmと28kmあたりか。
なんとか乗り切る。それ以外は、上りはゆっくり、下りはブレーキかけず成り行きで速く、で快調。
なのだが、下りのショックが徐々に堪えてくる気がする。(このへんでセーブしておけば良かったか。)
30kmの壁もさほどでは。28kmの最大勾配のとこはかなりペース落ちたけど、給水と靴紐を治すのと遅いとこでやったので影響は比較的少ない?
下りでは逆に相当スピードアップしているし。

最高点では水源地と高速道路を眼下に眺め、まさに胸のすくような爽快さ。
日陰では、冷えると言われていた天理の寒気をしっかり感じつつ、上りはそれなりにスピードダウンしながら、下りは下りに任せてそれなりに走っていく。。。
天理から戻るコースは、30kmを過ぎてから往路とは一本山寄りのコースに入る。多少アップダウンあるのはわかっていたが、堪えて来たのは33km過ぎから。こまめなアップダウンの繰り返し、早くも3つ目ほどの上りでなんだこの勾配は!天理の山道よりキツイやんけ!(なぜかやんけ!て気持ちが溢れる。)
急激にこころが折れそうな気持ちになってくる。元々足が深づめのせいで痛い。下りのストレスで脚も徐々にダメージが来ている。
そこに上り坂の心肺への負荷が来て、これはしんどいと、しんどさに気付いてしまった。
気付かなければこのまま行けたかも知れない。(笑)
脚、足、イキ、同時にしんどくなって下りにさしかかってもペースがあげられない!

が、

有森さんが3回めのハイタッチに来てくれたの効いた!36km付近だったろうか?上り坂で止まりそうになるところをピッチを落とさず、小さな歩幅で、て1,2,1,2、と掛け声かけてランナーを励ましてくれたおかげでなんとか歩かずにペースを保つ。
おかげで、5:58/km(あとで確認したところ。)と大幅に遅くなっていたのをったのを、なんとか5:20/kmくらいまでペースを戻す。
39kmの大仏殿付近から41kmまでは4:55/kmくらいでタイムを稼ぐはずだったのだが、それどころか止まらないのが精一杯。

こうなったら給水の度に足と脚に水を浴びせて、一瞬楽になった隙に踏み込むのみ。

逆に大腿の表裏両側が硬くなって両側から引っ張り合うような状態で、左の腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)もイヤな感じがしてきた。最後の競技場前の坂。
前日に1kmくらい軽く試走してみて、ここはそれほどでもないか、と思ったのだけど、文字通り最後のとどめ、である。競技場のトラックにはっていからの200mくらいもスパートかけるどころか、抜かれはしないよう持ちこたえるのが精いっぱい。
しかし、同時刻にフィニッシュしたひとも同じ状態か。抜くことも出来なければ、それほど抜かれることもない。みんなしんどいのだろう。奇妙な安心感と言うか共感。持ち堪えたなあ、と言う感じでフィニッシュ。

3:42:17(グロスタイム)
坂の割にシッカりガンバれたかな?

IMG_7881

P.S.
EXPOの話題:

脚を給水で冷やしながら走ったせいで、タイツも靴もびちゃっとしている。更衣場所が体育館の2階で広々しているので、ぎくしゃくとゆっくり着替えてEXPO会場で乾杯。
ランナーをつかまえてインタビューしてるのがオモシロイ。なんとなく、にたーとしながらビール片手にステージ脇に座り込んでにたにたと聴いていた。

この奈良マラソンではEXPOも楽しみのひとつ。大手スポーツ用品店がなかなか良い値付けをしている。昼ご飯に何を食べようか?このお店のおねえちゃんがふたりラーメン店に並んでいるではないか。こういう時は主催者側の人間が並んでいるところは当たりのはずである。あ、S店のおねえちゃんや!と思わず声が出て、二言三言お話しする。何せこちらはいっぱい買い込んで袋を抱えているから好感度大のはずである。毎年、お得なものがあるね、と水を向けるとマラソンイベントの時はキリのイイ値付けが出来るそうな。なるほど。

前日のトークショーでは、有森さんを拝見して、ひさしぶりにフルマラソンを走ってしんどかったこと、一般ランナーの給水が難しいのに気づいたこと(彼らはスペシャルドリンクを用意するから一般の給水所は経験がほとんどない。とくしまでの市橋さんもむせそうになったことがあるとか。黒部のきゅうちゃんも言っていた!)、司会の奈良テレビのアナウンサーがフルマラソン走ってリタイヤ・搬送された経験など、なかなかに興味深いお話であった。

奈良と言えば近鉄奈良駅前の豊祝で立ち呑むのが吉例になっているのだけど、前日にしっかり立ち寄る。当日は、午後の営業が夕方再開するまでの間にあたってしまったのでおとなしく帰る。もっともおとなしくはなく、帰ってから高槻JAZZの忘年会に行ったのだが、少し盛りだくさん過ぎたかな?