平成24年4月23日時点での公表資料(経産省報告)による需要見込の怪しさ。
素人ながら、なんか怪しいと思っているだけではだめdと一念発起して精査を試みる。
これは間違いで、こう見ないといけない、などと言うところがあればご教示願いたいと思う。
問題1
火力発電の供給力に極大に表現
24年4月の資料では、他社・融通のものが含まれている。
http://www.kepco.co.jp/pressre/2012/pdf/0423_1j_02.pdf
23年度計画値1408万kw
23年8月供給計画見直し値1318万kw
24年夏見通し 1923万kw こんなに増えるものか?これには他社・融通の電力が含まれており、他社は原発依存率が低いから他社・融通分を按分して電源別に数値を出したため、火力の割合が増えている。
含まない場合の関電の火力での合計は1472万kwと考えられる。※1
火力が頑張り、水力は電力不足に寄与しないことを結果的に強調することに
なっている。この他社・融通分には太陽光発電4.5%まで含まれているところが大変作為的にも
見えるが、統計・算術的な処理としては正しいと言わざるを得ない。
(他社・融通分を按分しないグラフを右側にやや小さく併記しているところがいじらしい。)
http://www.kepco.co.jp/pressre/2012/pdf/0529_1j_01.pdf
http://www.kepco.co.jp/pressre/2012/pdf/0622_4j_04.pdf
さすがに、その後の大阪府市エネルギー戦略会議や大飯原発第3号機稼働後の節電要請資料
では、他社・融通分の按分をやめ、23年度の資料と対照できるようにしているようである。
※1実際の数字の積み上げに統計・算術的な虚偽はないと思われる。
23年度8月供給計画見直し値1318万kwに比べ154万kw増えている。
舞鶴1Gの復帰で90万kw増加したのと海南2号機が再稼働したほか、出力向上運転、改修その他の
要因により大幅増・小幅減があったため。四捨五入により(4万kwほどの差が出る)
23年夏の節電ご説明資料と対照して確認。
問題2
水力発電の供給力の見込が過小。
1ヶ月で一番出水量の少ない5日間の平均である。
203万kw。月平均値とすると223万kwとなり、安全を見込んでのことであるが、きちんと説明仕切れているの
か?
揚水発電についても同様と考えられる。
216kw。大飯3G再稼働による揚水発電復活量が53万kwと言うのは、いかにも大きく見積もりすぎではないか
?
ちなみに23年度8月供給計画見直し値では原発が4基動いている状態ではあったが、揚水発電の見込み量
は432万kwであった。
原発以外の電気は揚水発電に使えない?(火力を夜間に動かすことは難しいなど、理解しないといけない部分もある。
)
問題3
他社・融通(自家発)の供給虚六
他社供給・融通などへの不信(供給力見込の悲観につながる)
自家発電などの増発は昨年以上には無理との見積になっている。
実際には自家発電等、自らの電源確保に積極的投資が行われている例もあり、客観的な精査が必要ではないか?
共同火力、IPPについても220万kwの現状以上に増発余力なしとしている。買う気がなく新規参入しにくい環境になっているせいではないか?IPP
問題4
最大電力量の想定が恣意的
1)節電量
23年夏より節電影響(節電により抑制できる電力分)を小さめに見込んでいる。
190万kw→102万kwに。協力により23年夏には助けられているのにも関わらず過小評価である。
結果出来に電力不足を喧伝している。
2)景気影響
景気が良くなり14万kw電力消費が増えると計算している。節電量の過小見積とは反対に
増加要因を過大評価していないか?
3)気温影響
H24を猛暑と予測してH24夏最大電力を算出している上にH22年度猛暑時のピークを加味し、1.0096を乗じて
H24 「夏H1」想定を最大電力としている。
問題5
22年夏のピーク時3095万kwに対応した際の予備率5%(23年夏)の考え方が今は主張されていない。
上記夏H1 夏H3に置き換えているように見えるが、23年夏の説明と連続性がない。(素人には
検証が不可能。)
問題6
関西電力の電力供給計画は今年度も含めて平成33年度まで「未定」
http://www.kepco.co.jp/corporate/plan/2012/kyokyu1.html
原発の廃炉・改修なども必要で設備投資余力も少なく対応しにくいところであろう。
が、早い目に一時休止火力の再稼働その他の判断を行っていれば、多少余力が早く出来たかも知れない。
問題7
新エネルギー軽視原発重視の固定観念
関西電力のエネルギー・環境のページには火力発電はあるけど水力発電はない。
原子力は一番大きく書いてある。太陽光発電はいくらやっても1万kwと強調しているとしか思えない。
http://www1.kepco.co.jp/energy/index.html #genpatsu
主に問題1から4までのところを試算したら、本当にいくら足りないかわかるか、どうかと思っている。